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同面積の部屋であれば、住民の費用負担が発生しない還元率100%を実現し、国内でも有数の成功事例に。「グレーシアガーデン溝の口」として生まれ変わったかみさく7・8号棟マンションの建替組合理事長の大野健氏に成功の要因を伺いました。
相鉄建設は、「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」(以下、「マンション建替え円滑化法」という。)に基づいて行われた川崎市高津区上作延の「かみさく7・8号棟マンション建替事業」の施工を担当しました。このプロジェクトは、マンション建替え円滑化法によるマンション建替事業としては、神奈川県内では7件目、川崎市内では5件目となります。
建替えについて知り合いのコンサルタントから話があったのは4年半前です。われわれのマンションは築43年が経過していましたが、構造や設備もしっかりしており、建替の必要はないと考えていました。しかし、周囲からの要望もあったため、2005年10月に検討委員会を発足し、11月に立体模型を用いての説明会を開催しました。
総戸数48戸の分譲マンションでしたが、問題は居住者の顔をすべて知らなかったことです。2006年には建替事業の基本計画説明会を開催し、隣地買収の可能性を探りました。また、耐震診断や長期修繕計画の検討などを行い、2006年10月に建替推進委員会を発足し、本格的に計画がスタートしました。当初は、建替えに賛成していたのは6割足らずで、検討委員会も10名から15名程度しか熱心に取り組んでいなかったのが実情です。
2007年2月に全48戸に対し建替えに関する第一回目のアンケートを実施し、賛成派、反対派の考える焦点を明確にするために、何が賛成で何が反対なのかを“魚の骨”のような一覧表に書き込む「特性要因図」を作成しました。
一番真剣に考えなければいけないのは、現在の住環境で満足な人です。物理的劣化だけではなく、環境の変化に不安を感じる人もいます。また、体力的に引っ越しに耐えられない人もいます。そういった要素を明確にして、最終的に建替えに賛成してもらえるように心がけました。
住民マップも作成し、住居者がどのような状態なのかをチェックしました。常時、マンションに居住している人は60%、20%は賃貸している人、残りの20%は状況が把握できないということが分かりました。それらを踏まえ、最終アンケートを5月に実施しましたが、回答者に対しては事後のフォローを徹底して行いました。
また、新築マンションの見学会を10月に行い、実際に最新の設備に触れてもらうことで建替えに賛成してもらえるように努力しました。その結果、80%の賛同が必要な建替決議では、48人中45人の賛成を得ることができました。
しかし、大切なのは80%を獲得することではなく、すべての方の賛同を得ることであり、残りの3人に関しても、フォローを行い、最終的には全員の賛同を得ることができました。
実際、工事中の心配はあまりしていませんでした。なぜなら、相鉄建設は現場の従業員の教育がしっかりしており、安心してお願いすることができたからです。工事前には、近隣の方と話し合いを行いましたが、その際も相鉄建設にサポートしていただきました。工事の段取りをとってみても解体工事の際は、水を噴射してホコリが立ちにくくするなど、細かな心配りをしていました。以前、近隣の建物を解体した施工会社は、安全や環境対策などおざなりで、ひどいものでしたが、相鉄建設の環境に配慮した施工に対しては、近隣の住民からの評価も非常に高かったです。
台風の時期と重なったこともあったのですが、24時間体制で監視するなど非常に気を配っていました。建設工事というのは、どうしても近隣の住民に迷惑がかかるものですが、そういった点でも、周りに配慮して作業をしていただきました。
現場の管理が非常に行き届いていました。通常、建設現場の場合、下請業者になるほど対応が悪くなる傾向があるのですが、そういったこともありませんでした。
建設中にはインテリアオプションといって、地権者が、備付けの家具などを選ぶことができるのですが、その際もわがままを言って、現場の方にご迷惑をおかけしたと思います。そういった点でも、柔軟に対応していただきました。
また、3月末予定の建設工期を前倒しして完成させてくれたため、3月8日には鍵の引渡しを受けることができ、新年度を新居で迎えることができました。
建替工事は成功し、数多くのメディアにも取り上げてもらうことができました。他の建替組合の方から相談があれば、推薦したいと思います。
相鉄不動産には還元率100%をはじめ、住人の意見を最大限に考慮してもらい、最高の条件を提示していただきました。我々の資金負担を軽減しながら、新マンションにかける想いを形にしていただいたことにより、建替事業における国内有数の成功事例となりました。
相鉄建設は、我々が希望する条件で仕事をしていただきましたし、最新の設備を取り入れた新しいマンションの出来栄えにも、みんな喜んでいます。細かい仕上げ作業に関しても非常に丁寧で、誰一人として不平不満を言う人はいませんでした。
建替工事には、いろいろな側面の問題があります。まず、マンションの住人がお金を出せるか、話がまとまるのか、近隣対策は大丈夫なのか、もう1つ付け加えれば、選定する業者が信頼できるかです。
中でももっとも大切なのは、誰かがやるのではなく、住人が自らやらなければいけないということです。デベロッパーの方には、団地の住民の力を引き出し、それをサポートする役割が求められると思います。
例えば、500戸の住人のうち400戸が賛成すれば建替決議は成立しますが、残りの100戸を説得しなければ後で溝が残ります。その意味では、業者任せではなく、住人自らが積極的に取り組むような雰囲気を作っていただきたいと思います。
建替工事のマーケットが広いことは間違いありませんが、成功させるためには非常に多くの問題を抱えていることも事実です。地方のマンションは、スラム化しているところも多いため、建替工事を進めるにあたり、各マンションにいるタレントを上手く引っ張り出して支援するような仕組みを作ってもらいたいと思います。
今回の建替工事では、お年寄りへの支援や近隣住民との交渉サポートなど、相鉄建設さんには非常によく対応してもらいました。今後も同様の成功事例が生まれるように期待しています。
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